今回はFACT FULNESSを読みました。
一時期超話題になっていましたね。もう随分と昔のことですが。
上杉さんがソフトウェアエンジニアだったことで、その文脈でよく目にした記憶もあります。
オンライン読書会、3冊目の本でした。
輪読会にすると強制的に1ヶ月程度で読み終われるので最高です。議論もできますしね。
FACT FULNESS
きちんと世界が事実ベースとしてどう変遷しているのかを知ろう、偏見で考えないようにしよう、という本です。
そのために人間には本能として、こんな見方をしてしまいがちだよ、ということを10個の本能としてまとめられています。
また、クイズや著者の経験談を交えてわかりやすくかかれていますね。
10の本能
- 分断本能
- ネガティブ本能
- 直線本能
- 恐怖本能
- 過大視本能
- パターン化本能
- 宿命本能
- 単純化本能
- 犯人捜し本能
- 焦り本能
以上10個の本能が働くことを知る。
分断本能
世界は分断されて2極化されている、と思っている人が多いがそうではない。
所得の面で区切るとしても、この本の中では4つの区分に分ける方が正しいとされているし、世界で一番多いのは真ん中の階級の人であると言われている。
防止するには、平均の比較、極端な数字の比較、上からの景色に注意する。
ネガティブ本能
ネガティブな面に注目しやすい。世界を数値でみると実は良い方向に向かっているのだ。
音楽や映画はとんでもない成長をして作られている。
そして、悪いことと良くなっていることは両立する。
数値が悪くても徐々によくなっていることはあるのだ。
会社の赤字だけど徐々に黒字に向かっている、などが例としてあげられそうだ。
直線本能
普通に天井があったりする。
グラフにはたくさんの形がある。
恐怖本能
リスクは危険度と頻度の掛け算。
恐ろしいものは本能的に気が取られる。
過大視本能
比較と割り算をしよう。
一つの数字だけではみえてこない。
パターン化本能
分類のしかたには疑いをもつ。1つの例からパターンにしているケースもある。
集団の中から、違いは何か、異なる集団から共通項は何かを把握する。
これはエンジニアだからこそ、陥りがちな気もしますね。
宿命本能
運命だ、ということはない。
日々何かが変わっている。文化でも変わる。
単純化本能
なんでもトンカチで叩くのではなくさまざまな道具の入った工具箱を用意しよう。
切り口はたくさんある。考える軸は多くもとう。
犯人捜し本能
犯人ではなく原因を探そう。
仕組みをみつけよう。
=> 仕組みに改善を加える。人ではなく仕組みで解決する。
焦り本能
落ち着いてデータを見つめよう。
ドラマチックなことに気を取られてしまう
人間はドラマチックな見せ方の方が当然記憶に残るので、メディアや人の話はそういうことに注視してしまいがち。
感想
海外旅行をかなり頻繁にしているのもあってか、これはその通りで知ってるなーという内容もあった。
スマホとか、世界にでるとみーんな持っているし、びっくりする。
生活は貧困そうにみえてもスマホもっていたりするのだ。
しかも通信料金はめっちゃ安い。細かく課金もできる。
そういう日本との違いを肌で感じると自分たちの「当たり前」はどんどん壊れていく。
ただこういう本能が働くよ、ということを知るのは大切で、知識がないと騙され続けてしまう。
知識もあるだけではだめで、自分が扱えないとだめですよね。自分も振り回されがちですが。
結局は自分の目で、正しいデータで考えるしかない。そんなことを教えてくれる本でした。